コンタクトレンズを徹底比較。ハードとソフトの違いは含水率のほかに何がある?

GfKジャパンの調査によると、メガネ・コンタクトレンズを使用している人は調査対象の消費者約3万6600人のうち、約7割にあたるそうです。
今や過半数を超える人が何らかの視力矯正を必要としている状況ですが、コンタクトレンズは「眼球に直接触れる」という形態から不安で手を出せない方も多いでしょう。
実際メガネは取り扱いもわかりやすくて安全ですが、ファッション性のために取り除きたかったり、スポーツ、仕事、食事で邪魔になったりと、状況によってコンタクトレンズにしたいと思うことがあると思います。
そこで今回は、コンタクトレンズの使用を考えている方のために、ソフトとハードの特徴を比較して解説いたします。
ソフトコンタクトレンズの特徴
柔らかいコンタクトレンズは水分を多く含んでいます。
ソフトのメリット、装着感の良さや激しい運動に向く
- 柔軟なため、眼球にフィットして装着感が良い
- 角膜を傷つけにくい
- ズレにくく、スポーツなどの激しい運動に向く
- 充血が目立ちにくい
- レンズが曇りにくい
- 使い捨てタイプなら洗浄・消毒が不要、または減らせる
ソフトの良さは、なんといっても装着感に優れていてズレや落下の心配が少ないところにあります。
激しい動きにも対応できるため、コンタクトレンズを使い始める動機に一番当てはまりやすい性能が確保されているといえます。
また、ゴミが入った時の痛みが少ないのでハードから乗り換える人もいます。
使っている時の違和感が少なく、初めての方も慣れやすいのが長所ですね。
通常タイプと使い捨てタイプの2種類があり、使い捨てタイプだと洗浄や消毒をしなくていいものがあるのもメリットです。
ソフトのデメリット、デリケートで注意が必要
- 乾燥に弱く、一度乾燥させてしまうとまず使えない
- 変形、汚れ、破損に弱い
- 角膜の異常や慢性的な症状に気づきにくい
- ドライアイになりやすい
- 酸素透過性がやや不利
- 強度の近視、乱視矯正は厳しい
乾燥させてしまうと縮んで使い物にならなくなるため、保存液での管理が必須です。
変形してから保存液や水道水に浸し続けても元に戻ることはありません、角膜に障害を起こしてしまうと取り返しがつかないので、素人判断で期限の切れたレンズや汚れた保存液などを再利用するのは絶対にやめましょう。
また、ハードほど異物感が出ないので、通常使用で慢性的に眼球に異常が起こる事態になった場合も気づきにくい点があります。
レンズの水分も使っているうちに蒸発してなくなり、減った分を目から奪うため、ドライアイになりやすいという欠点もあります。
ハードに比べると酸素透過性の低いものが多く目がやや疲れやすいですが、最近は「シリコーンハイドロゲル」という素材の登場で、使い捨て用のレンズは改善されつつあります。
基本的に乱視矯正はコンタクトレンズの得意でない分野ですが、ハードに比べるとその矯正力が弱いです。
ハードコンタクトレンズの特徴
水分をほとんど含まず、長期使用が前提となるコンタクトレンズです。
ハードのメリット、健康的で経済的
- 酸素透過性が高く、角膜への負担が少ない
- 角膜の異常に気づきやすい
- 近視、乱視矯正力が強い
- 乾燥に強くて丈夫
- 長時間の使用に適していて経済的
ハードの良さは、ほとんどの眼科医が推すほど健康面で有利なところにあります。
酸素透過性が高いものが多くて疲れにくく、異物混入や炎症が起こるとすぐにわかるので、目に起きた異常を放置することが少なくなります。
また、ソフトに比べると近視、乱視矯正が有利なので、強度のきつい方は選択肢がこちらに絞られてきます。
水分をほとんど含まないため乾燥に非常に強く、長時間の使用も楽にできます。
手入れもソフトより簡単で、合ったものを見つけられれば長く使えて経済的なのも長所です。
ハードのデメリット、激しい運動は向かず自分に合ったものが必要
- 装着に慣れが必要
- ズレやすく、激しい運動には向かない
- 変形、破損が起こると致命的
- 充血しやすい
- レンズが曇りやすい
短所は異物感が強く、装着に違和感を覚えやすい点が挙げられます。
ソフトより小さめで変形密着しないため、ズレや落下にも注意が必要です。
長期使用が前提なので基本的に丈夫ではあるものの、一度変形、破損するとまともに使えずまず作り直しになるので、保証をしっかりつけておきたいところです。
充血しやすいというのもあります、長時間何かに集中してまばたきが減り、涙が行き渡らなくなることによって起こります。(3-9ステイニング)
厳密にはハードそのものの欠点ではありませんが、症状が出る場合はまばたきを意識的に増やして目を閉じる時間を増やす、専用の目薬を処方してもらうなど対処する必要があります。
アレルギー体質の方に多いですが、涙のタンパク質が多い場合は曇りやすいです。
化粧品なども汚れ、曇りの原因になるので、専用の装着液を使用することで予防しましょう。
それでも改善されない場合は、医師と相談して別の製品やソフトに変えることになります。
自分の目的に合ったコンタクトレンズを選びましょう
1dayや2週間の使い捨てもあるソフト、長期間落ち着いて使用するタイプのハード、様々なコンタクトレンズが出ていますが、自分の使用目的と目に合うかどうかが一番重要です。
全てをコンタクトレンズで済ますというのも実際なかなか難しいので、メガネとの併用で使用機会に沿ったものを考えるといいでしょう。
目の健康を第一に考えて、ぜひ最適なコンタクトレンズを選んでみてください。