ひよっこのモデル「金の卵」とは。由来や時代背景など徹底解説!

ひよっこのモデル「金の卵」とは。由来や時代背景など徹底解説!

2017年4月より、新しいドラマである「ひよっこ」がスタートしました。

ヒロインである、有村架純演じる谷田部みね子は実家の農業を継ぐつもりでしたが、東京で実の父親が行方不明になったことから集団就職の1人として上京することに。

その後向島電機に就職、経済的に実家を助けながらも本来の目的である父親探しをしたりなど、波乱の展開が待ち受けていそうですね。

さて、ドラマの発端となるみね子が集団就職するシーンについてですが、当時集団就職していった若者が「金の卵」と呼ばれていたことをご存知でしょうか。

ドラマでは同じく集団就職をした佐久間由衣演じる時子、泉澤祐希演じる三男など、みね子だけではなく彼らもまた「金の卵」なのです。

なぜ彼らは金の卵と呼ばれたのでしょうか。

ここでは、「金の卵」という言葉についてまとめていきたいと思います。


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「金の卵」の由来や意味は?

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元々は、イソップ童話の「ガチョウと黄金の卵」から派生した言葉であり、「金の卵」というと、未成熟であるものの、高い潜在能力を秘めたものの比喩として用いられてきました。

しかし、ここでいう「金の卵」は集団就職によって上京し、高度経済成長を支えた若者たちのことをいいます。

「金の卵」という言葉が示すとおり、当時の企業たちは若者たちに大きく期待したわけですね。

それもそのはず、高度経済成長を迎えた昭和30年ごろは、多くの業界が好況だったため、慢性的な労働力不足になっていました。

モノ作りをする会社であれば、モノを作れば飛ぶように売れ、サービス会社であれば、首も回らないほど忙しかったとか。

しかし、現在ほどロボットや機械がそれほど発達していなかった時代です。

都会にいた若者たちだけでは労働力が足りず、いわゆる出稼ぎ労働者に注目が集まりました。

こうなった背景には、昭和23年に義務教育が現在の9年制に延長されたことも存在しています。

以前の工場では小学校卒の生徒を労働力として利用したことがほとんどで、そういった工場は更に人手不足になったのです。

紡績工場などの写真を歴史の勉強で見た人もいるかと思いますが、そこでは今でいう中学生くらいの女性たちも働いていたわけですね。

しかしながら、義務教育が延長されたことによって安価な労働力が手に入らなくなります。

そこで、企業が目をつけたのは、当時集団就職と呼ばれる現象でした。

義務教育を終えた若者たちは、仕事を求めて田舎から大都市の企業に旅立ったのです。

高度経済成長といっても、景気がいいのは大都市だけで、田舎にはそれほど利潤が回ってこなかかったこともこの背景にあります。

そのため、好景気に少しでもあやかろうと、田舎の中卒労働者が大量に大都市へと流入したのです。

もちろん、人手不足に困っていた企業は彼らを歓迎しました。

なぜなら、彼らは大都市で大学を卒業した若者たちよりも低賃金かつ長期勤務が可能だったからです。

そんな、大都市に大量に集団就職をした若者たちは誰が呼んだのか「金の卵」と呼ばれました。

この言葉は、奇しくもドラマの舞台である1964年に流行語大賞となったことからも、一般的に用いられたものなのだったと思います。

金の卵と呼ばれた理由

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若者たちが金の卵と呼ばれたのは、それだけたくさんの利益を生むからという理由です。

企業の側に立ってみれば、結果が同じなのであれば、賃金として与える給与が安ければ安いほど、大きな利潤を生みますよね。

つまり、企業側からすると、金をたくさん産む卵と見られていたわけです。

本来の意味である「潜在能力が高いけれど、まだまだ未熟」という意味とはちょっと異なってきますよね。

企業側は、それだけ「金の卵」を欲しました。

手に入れれば入れただけ利潤が生まれ、会社が大きくなるのですから、欲しがるのは当然です。

それを明確に示すデータとして、当時の求人倍率は3倍を超えることも珍しくなかったようです。

まとめて大量の人材を確保した大工場などは、クラスの生徒たちを丸ごと雇っていたこともあったとか。

就職氷河期と呼ばれる時代と比べると、びっくりするような時代ですよね。

中には、中学から高校にあがるために働きながら勉強を続けた人もいたとか。

当時は、それを可能にするだけの働き口と環境があったわけです。

たくさん仕事があり、たくさん人が来る……

一見、健全な経済成長をしているように見えるかもしれません。

しかしながら、あくまでこれは表面上の話。

これほど大量の人材が確保された裏で、この時代特有のゆがみも発生していたようです。

以下で、「金の卵」の負の面についても触れていきたいと思います。

「金の卵」にはどんな問題があったの?

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まず、「金の卵」たちが従事させられた職業は営業や経営などのホワイトカラーではなく、単純労働などのブルーカラーが多めでした。

当時の男子が大都市でつく職業の統計結果では、工員が1位、次に多いのが職人、そして次は店員でした。

女子でも工員が4割、次に店員など、やはり工場勤務がほとんどになっていました。

工場でなくとも、飲食店や商店などのサービス業がほとんどを占め、やはり単純労働ばかりです。

そのため、労働面での待遇は決してよいとはいえませんでした。

上述した通り、給与の面では大卒に劣り、そして単純労働であるがゆえにスキルが身につかず、企業から独立することが困難だったのです。

仕事と学業の両立をする学生もいる、と上述しましたが、残念なことに15%ほどの決して低くない確率でやめざるをえない状況になりました。

というのも、福利厚生面ではやはり大卒に劣り、仕事も忙しく、厳しいものばかりだったからです。

「金の卵」の問題は待遇面だけではありません。

大量の人口が流入した、農村部でも大きな問題が起きました。

それが過疎化、限界集落化です。

「集団就職列車」の写真を見ればわかるように、農村部からは大量に若者たちが流出しました。

その影響は大きく、農村からは若者の姿が消え、農村では老人の割合が上昇しました。

特に改善されることもなく、都市部で「金の卵」たちが子どもをつくり結婚していった結果、都市部に人口が集中してしまい、現在に至るわけです。

限界集落化、および過疎化といえば、現代でも頻繁に取り沙汰される問題。

農村部出身の方ほど、この問題の深刻さが身にしみてわかるのではないでしょうか。

現在でも深い問題となっている根っこの部分はこういったところにあったというわけですね。


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集団就職の労働者たち! 「金の卵」のまとめ!

「ひよっこ」では有村架純さんがオーディションなしでヒロインに大抜擢されましたよね。

それは脚本の岡田恵和さんにとって、有村架純さんがイメージにぴったりだったからといっています。

まさに彼にとって、有村架純さんは「価値のある卵という意味で」金の卵だったというわけですね。

さて、ひよっこでは「金の卵」が重要なキーワードとして出てきそうです。

なぜならタイトルである「ひよっこ」は「ひよこ」の意味で、ひよこが現れるものといえば卵だからです。

有村架純さんはじめ、友達たちはみんな「金の卵」と呼ばれました。

「人生は挑戦の連続」というのは「ひよっこ」のキーワードの1つですが、「ひよっこ」は「金の卵」たちが殻を割る物語になると思います。

果たして、金の卵と呼ばれた若者たち、労働者たちが、「挑戦」によって卵の殻を破り、「ひよっこ」となることが出来るのでしょうか。

これからの展開からも目が離せませんね。


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