インドヨガの呼吸法はやり方が難しい?ポーズと合わせた効果を解説!

皆さんは、ヨガをスポーツやダイエット目的のものだと思っていらっしゃいませんか?
もちろんヨガのポーズ(アーサナ)を行うことで代謝が上がり、身体の歪みがとれて健康になり、無駄な脂肪も落ちて美しくなれます。
しかし、本来「ヨガ」とはサンスクリット語で「結ぶ」という意味で、宇宙における万物は調和で結ばれ存在する、という「宇宙の真理」を表わす壮大な意味を持っています。
つまり、ヨガを通して宇宙の成り立ちを知り、その宇宙の一部である人間を知り、心身の調和の取り方を知り、悩みを越え、究極的には真理を悟っていくことができるという、偉大な哲学であり、実践法なのです。
ですからダイエットの効果が現われるのは、心身のバランスがとれ、本来の自然で過不足のない、完全な状態になるという目的に至るまでの当然の過程であり、ヨガの多大な効果の一部でしかないのです。
それならば、ヨガの本来の効果、多大なる恩恵というものを、余さず受け取りたいと思いますよね。
ここからは、ヨガのルーツであるインドヨガについてお話ししていきます。
インドヨガの歴史と驚きの人物!
ヨガのルーツは、今から一万年前にはインドのヒマラヤの奥地で編み出されていたと言われています。
それを体系的にまとめ、人間の進化のための方法として5000年前から今に継承しているものをヒマラヤ秘教といいます。
どうしたら心身の歪みのない、病や怒り、悲しみからも自由な人間になれるのか…人間が本来持つ神性を目覚めさせ、能力を最大限に引き出し幸福になる方法を、ヒマラヤに住む聖者たちは体得していったのです。
メインは自分の内側に集中して無になり、自浄作用と充電をする深い瞑想。
2つ目は深い瞑想にたどり着くため、生命エネルギーを意識的な呼吸によってコントロールし、浄化を進める呼吸法。
3つ目は、長く瞑想で座るため、健康な体を作るポーズ(アーサナ)です。
驚くべきことに、紀元前560年頃にインドで生まれたブッダも、このインドヨガの修行を行い、ついには菩提樹の下で瞑想をして悟りを開かれたのです。
ブッダの体験から得た理解を人々に教えたものが、後に仏教となりました。
瞑想はサンスクリット語で「ディヤーナ」と言い、それがインドから中国に渡って当てられた漢字が「禅那」となり、日本には「禅」として伝わったのです。
更に、イエス・キリストも仏教の愛の教えに学び、インド北部の町で瞑想をして悟ったとも言われています。
瞑想は英語でmeditationですが、その語源はローマ時代に使われていたラテン語meditatio(精神的および肉体的な訓練)という言葉にあり、瞑想がいかに古来から用いられていたかがわかります。
ヨガによって過去の記憶やトラウマ、思考の癖や体の癖、不運、エゴ…そういったものを浄化し、潜在能力が開花し、平和で愛に満ちた完全なる人間になるための方法として、時代も国も越え、脈々と受け継がれてきたのです。
筆者は家系的に仏教、伴侶はカトリックですが、仏教もキリスト教も同様に人間にとって大切なことを説かれているとわかります。
どちらも現代に至るまでに様々に形を変えてきてはいますが、源流の哲学・修行法が同じだったからなのですね。
インドヨガの呼吸法ってどんなもの?
では、深い瞑想に導かれるための呼吸法とは、どのようなものなのでしょうか。
呼吸は単に体内に酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出すためのものではなく、人間の自律神経と密接に関わるものなのです。
考えてみてください。
人間は意識しなくても自然に呼吸をしていますが、意識することによって呼吸を速くしたり遅くしたりできますよね。
無意識の生命活動の中で唯一、意識によってコントロールすることができるのが、呼吸なのです。
ヒマラヤの聖者たちは、呼吸をコントロールすることで自律神経や感情はもとより、生命エネルギーをコントロールすることができると知っていたのです。
深い呼吸をすることで生命エネルギーを身体の隅々の細胞にまで行き渡らせ、細胞を覚醒させ、神経回路を発達させ、本来のエネルギーを最大限に活用することができるのです。
インドヨガにおける呼吸法は目的によって様々な種類があり、体を温めるもの、冷やすもの、また体の一部分を浄化することもできます。
体内に蓄積した不要なものを吐き出したり、生命力を強めたり、また、生命力の弱まったある部分に送り込んだりすることもできるのです。
目的によって呼吸を長くしたり、速くしたり、左右で別に行ったり、あるいは一時的に呼吸を止めたり、身体の中に火のエネルギーを起こして不調やエゴを焼き切ったりするなど、特別な修行に用いたりします。
しかし注意していただきたいのは、呼吸法は自律神経に深く関わり、内側の目に見えない部分をコントロールする方法ですから、むやみに行うとかえってバランスを崩し、簡単には元に戻れなくなってしまうということです。
人間の内側は、自分でも制御できないパンドラの箱のようなものです。
巷では、単に健康法としてのポーズ(アーサナ)を教えてはくれますが、本格的な呼吸法や瞑想を気軽に教えてはいないでしょう。
それは、何か起こった時に対処できず、危険だからなのです。
パワーを得たいからと聞きかじった知識で呼吸法などを行って、そのうち自律神経失調症になったり何かに憑依されてしまうような例は、多々あります。
人間の心身を進化させるには、順番があるのです。
細い道に急に多大なエネルギーが流れてしまっては、その道が耐え切れず破壊されてしまうことは、想像に難くないはずです。
ヒマラヤで修行をし、人間の心身の全てを知り尽くした聖者(世界に二人おられます)に教えていただくのが一番安全で速く、確実でしょう。
呼吸法とポーズを合わせたやり方で、どんな効果があるの?
それでは、この深遠なるインドヨガの奥義を組み合わせることで、日常の私たちにどんな効果が現われるのか、その一部をご紹介します。
ポーズは動物の形を真似することから発達し、人間の自然性を回復して健康となり、生命力を高める効果的な方法として確立されたものです。
鋤(すき)のポーズ(上の写真のポーズ)
肩から首にかけてのこりをとる。
肩や首は本来柔らかく軽いものですが、こりはゆとりのない心を表わしていたり、高血圧や動脈硬化、肝臓や胃腸などの内臓の異常も考えられます。
背骨、首筋を伸ばしてこりをとり、胃、心臓、肝臓、生殖器の機能を促進します。
頭の疲れをとり、迷走神経への刺激を与えることで、内臓全体も活性化します。
呼吸法と合わせることで、上半身を軽く下半身は安定したバランスを持たせ、健康な状態を取り戻します。
コブラのポーズ
頭をリフレッシュさせ、頭脳明晰に。腎臓を強化し、いつまでも若々しさを保つ。
頭の固い方は、たいてい胸の部分も委縮して固く、みぞおちが緊張しています。
その場合、胸筋を引き延ばし、胸に弾力を付け、背筋をしなやかにすることで神経の働きを良くすると良いでしょう。
呼吸法と合わせることで腎臓がより一層強化され、血液を浄化し、体内の有害物質を一掃することで、若さを保つ(取り戻す)ことができます。
うさぎのポーズ
頭や目の疲れをとり、頑固な頭痛を解消する。
歯のかみ合わせが悪い、目の使いすぎ、内情の異常、また氾濫する情報に振り回され、神経を休めることを忘れてエネルギーを無駄に消費している方場合も頭痛を生じます。
頭痛を起こしている方は頭皮が緩み、顎が上がり、腕や上背部が固く、両足の足の長さのバランスが崩れており、肝臓や胆嚢の働きが低下している場合があります。
呼吸法と合わせることで、頭や目の疲れをとり、喉、心臓、胃の障害に効果を得て、更に脳の組織を柔軟にし、頭髪を生き生きとさせることができます。
このように、インドヨガの正統なルーツを持つヒマラヤ秘教の実践によって、日々の生活が驚くほどガラリと変わります。
単なる健康法としてではなく、その奥義の本来の目的を少しでも追い求めてみてはいかがでしょうか。