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華道の有名な流派を徹底比較!花器に見える京都の家元の教えとは?

華道の有名な流派を徹底比較!花器に見える京都の家元の教えとは?

日本人ならば、一度は目にしたことのある華道の世界。

その作品は季節折々の花や木を織り交ぜながら、ある世界観を表現しています。

万葉集や古今和歌集などに花を詠んだ多くの和歌が収められていることからもわかるように、四季に恵まれた日本では、昔から花を愛でる感性が育まれていたのです。


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華道の歴史と流派の誕生

野山に咲く一本の桜の木

それでは、花を生けるという風習がどのように起こり、華道として成立していったかを、時代ごとに見ていきましょう。

飛鳥時代~南北朝時代

鳥獣人物戯画の絵

仏教の伝来した6世紀には、仏に花を供える風習が広がりました。

日本最古の漫画と言われる鳥獣人物戯画の絵では、仏に見立てたカエルの前に、蓮の花が生けられていますね。

それまでの観賞する花から、仏前に供える花(供花)に変化したことがわかります。

また、平安時代の随筆である枕草子には、一輪挿しに挿した花を愛でる習慣が見られます。

室町時代(前期)

唐物の貴重な花器

この時代には、中国の明朝との貿易が盛んになり、大陸から唐物の絵画や器物が多く日本に入ってきました。

それらを飾るための建築様式として、荘厳な佇まいの書院造が成立し、床の間の原型が設けられ、花瓶も飾られるようになったのです。

美しいものを飾りたい、という想いから文化が発達してきたのですね。

そんな中、将軍足利義正の時代、寛正3年(1462年)。

聖徳太子が建立した京都六角堂(頂法寺)の僧侶である池坊専慶は、武士の依頼で床の間を飾るための花を挿し、それが京都中で評判となったのです。

ここで遂に、仏前に供える花から生け花という文化に昇華したことになります。

室町時代(後期)

池坊の花伝書

室町幕府に庇護されていた禅宗の思想「自然界を身近に取り込み、自然に学んで心を清らかに磨き、悟りに到達する」というものが追求された時代でした。

六角堂の住職である 池坊専応は、それまでの花を生ける技法だけではなく、禅宗の思想を含む生け花の理論を確立し日本最古の華道の流派である池坊(いけのぼう)が誕生しました。

また、同様に茶道が体系を確立したのもこの時代です。

心を磨く禅宗の教えと、人をもてなす際に現れる心の美しさを追求する華道と茶道は、深い関係があったのです。

江戸時代(後期)

投げ入れの質素な生け方

それまでは上流階級・武家階級に嗜まれた華道や茶道でしたが、この時代から飛躍的に豊かになった町人など、広く庶民の嗜みへと変化しました。

大きな流行となった華道の世界は入門制度が取り入れられ、今の家元制度となりました。

それまでは男性のみに許された世界でしたが、この頃から女性も入門できるようになりました。

また、これまでの格式高い書院建築から虚飾を省き、内面を磨いて客をもてなすことに重点を置かれた数寄屋造りという質素かつ洗練された建築様式が発達しました。

そのシンプルで美しい空間に合うよう、小さな花器に自然な形で草花を生けて風情を味わうという、なげいれ花という新しい生け方が生まれました。

ここで生まれた流派が古流、遠州流です。

明治時代~大正、昭和時代

明治時代の西洋風の室内に生けた花

明治維新による開国で一気に文明開化が起こり、生活が洋風化していきました。

海外の要人たちとの交流の場として西洋館が建設され、洋花の輸入も盛んとなりました。

そこで、生活の洋風化に対応する新しい流派として、明治28年(1895年)に小原流(おはらりゅう)が生まれました。

これまでの花瓶に花を投じる線の動きを主にした構成から、口の広い水盤に剣山を置き、そこに花を挿していく盛花(もりばな)を考案し、面でのボリュームのある構成を生み出したのです。

その後、大正6年(1917年)には日本と西洋の長所を共に生かした流派として花芸足立流(かげいあだちりゅう)が生まれました。

そして昭和2年(1927年)には、花をいけることを通して創り手の個性を表現する、自由な造形美を求めた草月流(そうげつりゅう)が生まれたのです。

このように時代の変化に合わせ、新しい思想を取り込みながら美を追求する流派が生まれていったのですね。


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有名な華道の三大流派とその特徴は?

秋の花車

日本で最も有名な華道の三大流派は、池坊、小原流、草月流です。

その特徴をまとめてみました。

池坊(いけのぼう)

池坊の松が特徴的な古風な作品

日本最古の流派であり、550年の歴史を持つ。

格式ある生け方など伝統的な型を守りながら、新しいいけばなを追求している流派。

和風の生け方を得意とします。

禅宗の思想を含み、草木の命そのものを美しいとし、若葉や色鮮やかな花だけではなく、虫食いの葉や先枯れの葉、枯れ枝までもを、作品に生かします。
あるがままの姿の中に、命の美しさを見出す心こそが尊く、そのを育むことが池坊の理念となっています。

小原流(おはらりゅう)

小笠原流の菖蒲を基調とした盛花

120年の歴史を持ち、盛花を考案し、時代の生活スタイルにふさわしい生け花を生み出してきた流派。

いち早く洋花を取り入れ、盛花というより多くの人に親しまれるスタイルを生み出しました。

水盤の中に自然の景色を再現したり、洋風に生ける方法など、様々な形式があり、学びやすく構成されています。

全国に148支部、海外には56支部があります。

草月流(そうげつりゅう)

草月流の竹ひごで造形を創った作品

もうすぐ一世紀となる歴史を持ち、「個性」を尊重した自由な表現が特徴

もちろん基本の「型」を学びながら花の扱い方を覚えますが、それに捕らわれるのではなく、いけ手の自由な想いを花を通して表現していきます。

現家元の勅使河原茜(てしがわらあかね)が、作品展の際に出品者の方々に「思いっきりはじけて、楽しんでください!」と激励したことからもわかるように、自分らしく、のびやかに花をいけることを大切にします。

草月流では「生ける」という感じは使わず、「いける」を「造形る」「変化る」などと表現しています。

植物のあるがままの姿に敬意を表しながらも、人間の手を加えることで長さを変え、形を変え、美を表現していきます。

枯れ枝や石、金属、和紙、ビー玉…など、それそのものでも美しい物を、斬新な発想で取り合わせることで更に美しくいけることを得意とします。

まるでオブジェのような造形美を表現する、まさに個性的な現代アートのような生け方が、草月流の真骨頂なのです。

全国に49支部、そして世界各地には約120支部があります。

花器に見る、京都家元の華道の教えとは

信楽焼に生けたツルウメモドキとケイトウ

自然に咲く花を室内に飾るには、それを生ける器が必要です。

それを花器(かき)と呼び、時代の変遷とともに形が変わっていきました。

室町時代に池坊が成立するまでは、花よりも唐物の珍重な花器そのものを鑑賞対象としていました。

その頃の花器は貴重な銅器青磁器で、左右対称のシンメトリーの形をしていました

もともと古代中国では、神聖な儀式に使う器は正確なシンメトリーであるべきとされ、花も神に捧げられたことから、唐物の花器はシンメトリーだったのです。

その流れから、京都で池坊が確立された後でも、床の間などフォーマルな場を飾るためにはシンメトリーが原則とされました。

自然をあるがままに生けることを基本とした教えから見ると、奔放にうねり、枝を伸ばすアシンメトリーの素材を美しく引き立たせるためには、花器はシンメトリーであることがふさわしかったのです。

またその頃に茶の湯と花の世界で活躍した千利休は、本来花器ではない物を花器として「見立てる」ことを教えました。

漁師の使う籠や、壊れた壺、枯れた蓮の葉…こうした何気ないものの中に美を見出す心こそ、わびさびの心だと説いたのです。

その後、時代と共に格式高く豪華絢爛に生けることが求められるようになると、ボリュームのある花とバランスをとれるよう、花器の胴体の下側を膨らませ、重心を低くして安定感を出すようになりました。

江戸時代後期に華道が庶民にも広く開かれると、狭い空間に花を飾れるようなげいれ花が主流となり、質素な焼き物の花器(土もの)が広く好まれました。

煌びやかさを排除し、完全な美は不完全の中にあるという、千利休のわびさびの心が回顧されるようになったのです。

窯から出すまでどんな形となるかわからない土ものは、神の力を借りたものとも考えられ、愛されるようになりました。

例えば信楽焼などは、土肌の温かみ、流れるような釉薬の模様、窯の中で自然にかぶる灰によって生まれる光沢…偶然生まれるくぼみも、味わい深いものでした。

身近な野山の花を、大地のぬくもりを感じさせる土ものの花器に生けることで、自然の美をそのまま室内に再現できたような、完全なる美しさを見出したのです。

この時代には、もう花器はシンメトリーでなければならないという考え方には当てはまらなくなっていたのですね。

その後、明治の文明開化や近代化により、様々な素材や形の花器が表現に用いられるようになりました。

現代では金属、プラスティック、ガラス、石…ありとあらゆる物を手に入れることができるようになりましたが、私たちが大切にしたいのは、どんな物の中にも美を見出せる、日本の心なのではないでしょうか。

皆様も、どうぞ身近なものを愛しみ、お手元で季節の花を楽しんでみてください。

あなたの生活がより一層潤い、毎日を美しい心で過ごすことができますように…。


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