映画メッセージのあらすじ(ネタバレあり)を結末まで。斉藤工も絶賛した演出とは!?

アメリカ人作家テッド・チャンによる短編小説「あなたの人生の物語」が原作のSF映画「メッセージ」。
突如姿を現した謎の飛行体。
地球に到来した生命体が人々に伝えたいこととは何なのか。
その謎を知った女性言語学者ルイーズを待ち受けるラストとは・・・。
SF映画「メッセージ」のあらすじを結末までご紹介していきます。
そして、主人公ルイーズが決断した最後の選択とは?
「メッセージ」あらすじをネタバレありで公開
言語学者として働く主人公・ルイーズは、一人娘をもつシングルマザー。
反抗的な態度をとる一人娘を必死で育てていました。
忙しく働きながら子育てをするルイーズでしたが、ある日娘がガンであることが判明してしまいます。
年齢的に若い為にガンの転移も早く、程なくして亡くなってしまうのです。
途方にくれるルイーズは、仕事に没頭。
そんなある日、いつものように仕事場である大学の教室にむかうと、生徒からある騒ぎを聞きつけます。
何やら世界各地に巨大な宇宙船が飛来し宇宙人が到来したというのです。
何の目的で現れたのか、突如出現した謎の物体に世界中は大パニック。
すると、ルイーズのもとに軍の知り合いであるウェバー大佐がやってきます。
宇宙人が何を話し、何が目的なのか解読してほしいと依頼をされたのです。
要請をうけたルイーズは宇宙船近くのベースキャンプへとむかいました。
そこで出会ったイアンと共に調査を開始するのです。
世界では、万が一の為に軍の手配が進められていました。
無重力空間のような宇宙船に乗り込むルイーズとイアン。
そこへ複数の足を持つタコのような姿をする宇宙人がやってきました。
ヘプタポッドと呼ばれる知的生命体は象形文字のような謎のメッセージを発信してきます。
試行錯誤を繰り返すこと数ヶ月、宇宙人が何かを伝えようとしていることがわかった2人は、メッセージの解読を試みます。
次第に友好的な関係を築いていくルイーズ達でしたが、地球上では「宇宙人は危険だ、攻撃せよ」という声が広がっていました。
地球にきた目的を宇宙人に問いかけるルイーズ。
すると宇宙人から、「Use Weapon」(武器を使え)という答えが返ってきたのです。
宇宙人が地球に攻撃を仕掛けてくると察した軍は、攻撃体制に入ります。
宇宙人にとっての「武器」とは違う意味ではないか、というルイーズの言葉にも聞く耳を持たず軍は攻撃を開始。
宇宙船の中に爆弾を仕掛けるのでした。
そんな時、ルイーズはなぜか娘のことを思い出します。
娘との会話や、娘が書いた文字、たくさんの思い出が蘇ってきました。
「気になることがある」と言って、宇宙船にむかうルイーズとイアン。
宇宙人はルイーズ達に今までとは違ったメッセージを投げかけます。
その意味を問いかけようとするルイーズでしたが、軍が仕掛けた爆弾はもう爆発寸前。
宇宙人はルイーズとイアンを助けようと宇宙船から吹き飛ばし脱出させてくれたのです。
イアンの解読のおかげもあり、宇宙人が人間と協力したがっていることが判明します。
更に娘との思い出が蘇るルイーズ、そしてその思い出こそが重要な鍵となっていくのです。
世界各地での攻撃がまもなく開始されようとしている中、ルイーズは一人で宇宙船へと向かっていきました。
宇宙人に、協力する方法を教えてほしいと尋ねるルイーズ。
すると宇宙人から「ルイーズが武器だ」という謎のメッセージが送られてきます。
ルイーズには未来が見えるというのです。
宇宙人はルイーズに「3000年後、我々は人間の協力が必要になる。その為にここにきた」と伝えました。
未来に起こる何かしらの問題を防ぐために、宇宙人は3000年前のこの地球にやってきたのだと。
宇宙人はルイーズに特別な力があることを教えにきたのでした。
今まで見てきた娘との思い出も、宇宙人の言葉を大学で教えている自分の姿も、全て未来に起こることだったのです。
衝撃の事実を知ったルイーズ。
気付くと、地球上に戻ってきていました。
全てを知ったルイーズは攻撃しようとしている中国を止めようとしますが、方法が見つかりません。
その時、ルイーズはまた未来を見たのです。
あるパーティーに出席しているルイーズは、中国の最高司令官から感謝されていました。
未来を見たルイーズは、その記憶を頼りに司令官に連絡します。
その人の奥さんが死に際に言った言葉を、中国語で。
程なくして中国の攻撃は中止、宇宙人も空高く消えていきました。
その後、宇宙人の言葉の解読にともに挑んだイアンからプロポーズされるルイーズ。
しかしルイーズは知っています。
この先イアンと結婚をして娘を授かり、その娘がガンで亡くなってしまうことを。
「子供も出来ればほしい」と言うイアンに、「良いと思うわ」と返すルイーズ。
ルイーズは自分の未来を受け入れたのでした。
感想がわかれた主人公の最後の選択とは?
映画「メッセージ」を見終えた人の中で感想がわかれたのは、主人公ルイーズがとった最後の選択でした。
娘が将来ガンで亡くなることを知っていながらも、イアンとの子供を望んだこと。
失うとわかっていて、なぜルイーズはその選択を選んだのか。
原作者であるテッド・チャンが、あるエピソードに感銘を受けたという話があるそうです。
映画評論家の町田智浩さんはこう言っていました。
ポール・リンクという売れない一人の俳優がテレビ番組で亡き妻とのことについて語ったそうです。
彼の奥さんは、がん宣告をされ余命一年。
その時、彼と奥さんとで子供を作ろうという話になったそうです。
周りからは、その子は母さんを失ってしまうのになぜそんな悲しいことをするのだ・・・と反対されていたといいます。
しかし、二人は子供を作ることに決めたのでした。
死ぬとわかっていて、じゃあどうするのか?
逃げられない、避けられない運命があるとしたら、人はどうするのか?
この映画では大きなテーマとして描かれているのだと言います。
主人公ルイーズも「結婚しない」という選択をすることで、娘との楽しい思い出までもが無くなってしまうことが辛かったのではないでしょうか。
斉藤工が大絶賛した演出とは?
ズバリ、「キャストの演技力」と「音」です。
この映画は、宇宙人と地球人の物語なので、言葉が通じません。
そこで重要視されるのは、キャストの演技力。
セリフを言わずに、顔の表情や立ち振る舞いだけで視聴者に伝えなければなりません。
俳優の斉藤工さんいわく、セリフがあるのと、ないとのでは比べ物にならないと言っているくらいなので、メッセージのセリフ無しがいかに凄い事なのか!
また、音に関しましては、こちらも宇宙人を音だけで表現しているので素晴らしいと。
具体的には、音により、宇宙人の肌の硬さや体の柔軟性、動くスピードなどを的確に伝えてます。
一度見ただけでは伝わらない面白さ
この映画は、ただのSF映画として片付けてはいけません。
人類に向けて発信される宇宙人からのメッセージも、「習得した言語によって思考が変わる」という説に影響を受けている作品としてとても面白く描かれています。
また、映画冒頭にさっそく出現する娘との回想シーン。
初めて見る人にとっては、それが過去の映像として認識されることと思います。
しかしストーリーを読み進めていくと分かってくるのが、それは過去ではなく未来の映像だということ。
過去も未来も時系列がバラバラなので、1回見ただけでは頭の中で整理がつきません。
しかし人が過去を思い出すときは「あの時は楽しかった」「こんな時もあった」など、時系列がないことがほとんどです。
映画「メッセージ」はそんな人間のモノの考え方をそのまま映像にした作品なのかもしれませんね。