新型リーフの発売日がテスラの影響で2017年に早まる。日産の新機能「プロパイロット」で対抗できるか?

日産から2010年より販売され、徐々に有名になってきているEVである「リーフ」。
日本製のEVということだけあり、その人気は高く、多くの人が目にしたことがある車種なのではないでしょうか。
そんなリーフに、新型が登場するようです。
今回はマイナーチェンジではなくフルモデルチェンジ。
見た目は勿論、性能面でも大きく改善する予定だとか。
果たしてその性能、そして価格と発売日はどうなっているのでしょうか。
新型リーフについて、現状判明していることをまとめてみました。
「リーフ」ってそもそもどんな車?
リーフは、日産が誇るEV(完全に電気で動く車両)の車種です。
発売日は2010年、当時、EVがほとんど浸透していなかった日本に、驚きをもって迎えられました。
「LEAF」という名前は英単語の「LEAF(葉っぱ)」から来ていて、環境への優しさをアピールしているようです。
この名前がすでに商標登録されていたアメリカ、ドイツなどではその会社とわざわざ交渉したことからも、日産がこの車名にこだわっていることがわかります。
航続距離は当初196Kmでしたが、2012年のマイナーチェンジにより228Kmに増加。
忙しい日本人のライフスタイルにあわせて200Vの急速充電オプションが採択可能で、これならば警告灯表示から30分で80%まで充電することが出来ます。
更に、2013~2015年にかけて、価格の値下げが行われました。
現時点での新車価格は高くても450万と、EVとしてはかなりお求めやすくなっています。
一般人でも手が届く日本製EV、それがリーフなのです。
新型リーフの新機能「プロパイロット」とは?
旧リーフでの航続距離は、上述したとおり228Kmと発表されていました。
しかしながら、これは理想の状態での話。
実際のところ、経年劣化・運転の仕方、その他もろもろの問題で228Kmを走ることは難しいというのが現実だったようです。
海外製のEVと比べると、この航続距離が一番の問題とされていました。
日本車が好きだけど、遠出をすることを考えて海外車にした、という人もいるのではないでしょうか。
新型リーフではこの欠点を克服し、航続距離を500~550Kmまで伸ばしています。
単純計算でも2倍以上ですから、相当な進歩ですよね。
550Kmも航続できれば、充電なしでも東京から会津若松まで行って戻ってこられます。
海外製のEVと比べても見劣りしない性能ですね。
加えて、自動運転技術が搭載されることがわかっています。
その名は「プロパイロット」。
現在ではクルーズコントロールのみが適応されている日産の自動運転ですが、新型リーフには以下の機能が追加で付与されると考えられます。
1.自動ブレーキ
車線が狭まったとき、制動距離を一瞬の内に計算し、後続車が追突しないようにブレーキをかけてくれます。
過信は良くありませんが、いざという時の命綱として使用できそうですね。
2.車線変更
障害物を感知、車線を変更してくれます。
機械がやるので、ウィンカーの出し忘れということもなく安心です。
3.停止・発進
停止と発進も可能です。
付近に障害物がないか確かめてから発進するので、事故も起きません。
現在は高速道路などの単一車線に限定されるようですが、自動的に運転してくれます。
更に、プロパイロットはアップデートを重ねていく予定で、2018年には「2.0」がリリース予定です。
これは危険回避と複数車線への変更に対応し、より安全性が増しました。
ちなみにこの機能は、ベンツに搭載されている自動運転機能とほぼ同等の性能のものです。
加えて、2020年までには完全自律型自動運転機能を実用化予定。
完全自動運転は、現状では夢のような話に見えるかもしれません。
ところが、実際に、リーフでの自動運転テストがロンドンの一般道で行われました。
更に、いつになるかは不明ですが、4.0では目的地まで一気に走ってくれるという機能を搭載予定だとか。
3.0の予定が2020年なので、まだまだ時間はかかるでしょうが、実用化されるのはそれほど遠くない未来になりそうです。
新型リーフ発売までにどの程度「プロパイロット」が進化するのかは不透明ですが、日産は自動運転にとても意欲的です。
なので、新型リーフにプロパイロットが導入されるのは間違いないでしょう。
具体的な性能はまだ発表されていませんので、現状判明している、もしくは予想できる性能は以上になります。
では、気になる発売日と価格はどうなってくるのでしょうか。
ステラ「モデル3」の発売日は2017年末。それが新型リーフの発売日を早めた理由なのか
発売日は2017年末になる予定です。
少し前までは2018年販売を予定していたのですが、どうやら予定を早めたようですね。
予定を早めた理由は、開発がうまくいったわけではなく、現状EV分野でほぼ一強の牙城を築いているテスラモーターズの動向が関係していると思われます。
テスラモーターズが年末販売予定の車「Model 3」は低価格のEVで、これまで高級路線だった同社のEVとは全く異質なものです。
日産としては、これまでリーフが持っていた低価格EVという個性を奪われかねない事態です。
その上、Model 3の発売日は2017年末。
本来新型リーフの販売予定だった2018年に発売しては、大きくシェアを奪われてしまう可能性があります。
低価格EVを出してくるあたり、テスラ社もEV業界を掌握する目的があると思われますが、日産もそれに対抗したというわけですね。
ちなみに、具体的なスペックや価格は2017年9月に発表される予定です。
よって、価格は未定。
しかし、ある程度予想を立てることはできます。
まず、旧リーフの価格は400万前後でした。
加えて、ライバルとなるテスラ社のModel 3が400万円前後と見られています。
なので、新型リーフも400万円程度の値段になるのではないでしょうか。
もしかしたら、テスラ社との直接対決を控えて、更に低価格で提供する可能性もあります。
どう転んでも、500万以上の価格にはならないと予想します。
なぜなら、500万円以上のクラスになるとテスラ社の「Model X」や2018年に発売を控えているルシードモータースの「Air」など強力なライバルが増えるためです。
どのような値段になるにせよ、以上の車種がある程度関わってくると考えられます。
新型リーフの航続距離(走行距離)などのスペックは
現状判明している新型リーフのスペックは以下の通りです。
- 航続距離は500Km~550Km、現行リーフの2倍以上
- 自動運転機能「プロパイロット1.0」搭載、2018年にアップデート予定
これらに加えて、外見のデザインも大きく変わることが予想されます。
日産が発表したコンセプトカー「IDS」の姿はどこか鋭角と曲線をうまく取り入れた未来を思わせるデザインとなっています。
新型リーフも、このデザインの影響を受ける可能性が高いのではないでしょうか。
また、内装には大型ディスプレイが設定できる可能性があります。
最近のEV車は大型ディスプレイによるナビがデフォルトになっているので、より未来感溢れる車内が形作られることでしょう。
実際のところどうなっていくのかは、2017年9月の正式発表で明らかになります。
現状、完全に電気で動く日本製のEVは日産が一歩リードしている形です。
とはいえ、世界に目を向けると強力なライバルである各社が睨みをきかせあっている状態。
テスラモータースが日本向けサービスを行っていることもあり、これからどうなっていくのか、そういった面でも注目が集まっています。
ことの顛末を見逃さないよう、日々、情報収集をこころがけておきたいところですね。