スペアタイヤの交換方法!正しい手順をマスターすれば急なパンクも対処可能に。

走行中に釘などの異物を踏んでしまい、タイヤがパンクしてしまうようなトラブルは、注意のしようが無いトラブルのひとつです。
運次第と言ってしまえばそれまでですが、ここではそんなタイヤがパンクした時に、ドライバー自身で焦らず冷静にスペアタイヤに交換する為のノウハウを解説していきます。
車載工具をチェック!
パンクをしてスペアタイヤに交換する為に必要な工具というのは、多くがトランクやラゲッジルーム内に車載工具として積んであります。
- トランク・ラゲッジルーム内のマットをめくった下に収納されているもの
- トランク・ラゲッジルーム内のサイドトリムに付いている蓋を開けた中に収納されているもの
- セカンドシートのフロアマット下や室内ステップ部の下に収納されているもの
など、車種によって車載工具の収納場所は様々なので、取扱い説明書や実車で場所を確認しておきましょう。
そして、スペアタイヤの交換に必要な工具は以下の4つです。
- パンタジャッキ
- ハンドル
- レンチ
- 輪止め
パンタジャッキは車両を持ち上げる為のもので、ジャッキを操作する為に必要な補助工具としてハンドルも備わっているかと思います。
レンチはホイールナットを緩めたり締める時に使うものです。
輪止めに関しては、車載されていない場合も多いですがあれば、より安全な作業を行う為にも有効と言えるでしょう。
まずは、これら4つの工具が備わっていることを確認してください!
そして、最後に忘れてはならないのがスペアタイヤがきちんと車載されているかどうかです。
最近の車は、スペアタイヤの代わりにパンク修理キットが設定されていることが多く、スペアタイヤはオプション設定になっている場合もあります。
車内にパンク修理キットがある場合は、スペアタイヤは恐らく車載されていないことがほとんどでしょう。
また、スペアタイヤの収納場所として車載工具と同様にトランク・ラゲッジルームマットをめくった下に収納されている場合が多いですが、中には室内空間を確保する為にスペアタイヤは車両外側のフロア下に装着されているものもあります。
交換に掛かる目安時間は15〜30分くらい
スペアタイヤに交換する前に作業にどれくらいの時間が掛かるのか知っておきたいですよね。
慣れた人だと10分もあれば、すべての作業が完了することも可能ですが、多くの人にとって慣れない作業になるかと思います。
よって、15〜30分くらいの作業時間を目安にしていただくと良いでしょう。
安全・確実にスペアタイヤを交換する手順
作業に必要な工具と作業時間の目安が分かったところで、いよいよスペアタイヤ交換の手順について説明していきたいと思います!
順に作業していただければ、安全かつ確実にスペアタイヤが交換できるかと思いますので、しっかり最初から最後まで読んでくださいね!
⑴路面が平らなアスファルトやコンクリートになった場所で作業の準備をする
車を安全にジャッキアップする大前提として
「平坦な場所」「地面がしっかりとした場所」ということが大事になってきます。
坂道や砂利道と言った不安定な場所での作業は、ジャッキアップ時に何かの拍子でジャッキが外れてしまう可能性が大きくなります。
車が落ちて車体に傷がいってしまうだけならまだ良いですが、車の下敷きになったり、手足を挟んでしまうなどの大怪我に繋がる恐れもあるので、必ず守って頂きたい項目になります。
そして、路側帯等の他の車の走行を妨げない場所に車を寄せて、三角表示板を車両後方に置いたり、ハザードを点滅させた状態で作業をすることで、より安全に作業を行うことができます。
⑵確実にサイドブレーキ・輪止めを掛ける
作業中に、車が動き出さない為の予防としてサイドブレーキも確実に掛け、さらに輪止めがある場合は、交換するタイヤと対角にあたるタイヤに輪止めをするようにします。
右フロントタイヤを交換する場合は左リヤタイヤに輪止めをするといった具合です。
また、マニュアル車ではシフトを1速に入れ、AT車であればPレンジに入れた状態でエンジンは切って作業に取り掛かりましょう。
⑶ジャッキポイントの確認をして、ジャッキをセットする
車載工具であるパンタジャッキを使ったジャッキアップをする際には、ボデー下部のサイドシルの前後左右の四隅にジャッキアップポイントが設けられているので、そこにジャッキをセットします。
ジャッキポイントはフロントタイヤであればタイヤから見て後ろ側に、リヤタイヤであればタイヤから見て前側にあり、サイドシルに切り欠きや凸があるので目で見て分かるようになっていますので、しっかり確認しましょう。
ジャッキをセットしたら、補助工具のハンドルを使って少し車体が動く程度にジャッキアップして、確実にセットされていることを確認しましょう。
⑷ホイールナットを緩める
車体を浮かせる前にホイールナットを軽く緩めておきましょう。
アルミホイールの車はナットが見えていますが、ホイールキャップ付きの鉄ホイールの場合は、ホイールキャップを外します。
乗用車であれば、反時計回りにホイールナットを回すと緩むので、レンチを掛けて緩めてあげます。
通常であれば、手の力だけで緩むほどの締め付けトルクですが、どうしても緩まない場合はレンチがナットにしっかりと掛かっていることと、反時計回りに緩めることを再度確認した上で足で体重を掛けてホイールナットを緩めます。
注意点として、ホイールナットをあくまで少し緩める程度にしておき、完全にナットを外してしまわないようにしましょう。
⑸車体をジャッキアップさせる
次にパンタジャッキを使って車体を浮かせます。
あまり車体を上げすぎると作業がしにくかったりするので、地面からタイヤが2〜3cm程度浮くくらいで十分でしょう。
⑹タイヤを交換する
ジャッキアップ前に緩めたホイールナットを手で緩めて外しますが、まだ少し固い場合はレンチを使っても大丈夫です。
外したタイヤは一旦、車体の下などに置いておくと、もしもの時に安全でしょう。
次にスペアタイヤを装着し、ホイールナットをホイールの座面に当たるまで手で締め込んでいき、座面に当たったことを確認した後に、レンチを使って軽く締め込んでおきます。
また、ホイールナットは手で抵抗なく座面に当たるまでは締まっていくものなので、固くてナットが動かないというようであれば、ねじ山がしっかり噛んでいるか確認してください。
そしてこの時に注意して欲しいことが1つあります。
袋ナットなら問題ないのですが、裏表どちからもナットを装着できる貫通ナットというタイプの場合は、テーパー状になった側をホイール側にしてナットを締めていきます。
もし逆方向でナットを締めて言ってしまうと、走行中に脱輪する恐れもあり非常に危険です。
ユーザー自身でタイヤ交換をした際に、間違えて逆向きに付けてしまう人が、たまにいますのでどうしても不安であれば、他のタイヤのホイールナットの取り付け状態を確認するなどして、確実な作業を心掛けてください!
⑺車体を降ろしてホイールナットを本締めする
⑹の作業を確実にできたことを確認できたら車体を降ろします。
完全に降ろしてしまわず、タイヤが地面に接地したくらいで一旦ジャッキを止めて、ホイールナットの本締めを行います。
レンチがナットにしっかり掛かるように左手でレンチを支えながら、右手でレンチに力を加えてナットを本締めを行いますが、ナットは対角線上に順番に締めていくと、うまく締めることができます。
また成人男性で、グッと力を入れて締まるくらいがちょうど適正な締め付けトルクとなるようにレンチの長さも設計されているので、レンチに足を掛けて締め込んだりする必要はありません。
足で体重を掛けて締め込むとオーバートルクとなり、ねじ山を傷める原因にもなりますので注意しましょう。
以上で、スペアタイヤの交換作業は完了となるので工具は元の位置に片付けてもらって大丈夫です。
たまにはスペアタイヤの状態(空気圧)も確認を
これで、パンク等でスペアタイヤに交換しなければいけない状況に遭った時でも、安全かつ冷静に対処できるのではないでしょうか。
交換したスペアタイヤはあくまで応急用タイヤなので、走行時はあまり速度を出したり、無理な運転は控えるようにして早めにタイヤの修理、または交換を行うようにしましょう。
また、乗用車のスペアタイヤは規定空気圧が420kpaくらいに設定されており、通常のタイヤに比べてかなり高い空気圧での使用が適正となっています。
タイヤの空気圧は温度によりかなり上下する上に、長期間放置しているとわずかずつですが空気も減っていくので、もしもの時に備えて点検や車検、またはガソリンスタンドでの給油時などでも結構なので、スペアタイヤの空気圧をチェックするようにしておきましょう!
もし万が一、空気圧のチェックを長くしていなかった場合は、スペアタイヤ交換後なるべく最寄りのガソリンスタンド等で早めに規定の空気圧になるよう、調整してもらうようにしてくださいね!