春の選抜高校野球(2017)21世紀枠特集!注目選手や出場校の特徴を調査。

2017年1月27日に春の選抜高校野球の出場高校が出揃いましたね。
見慣れた強豪校から、選抜初出場の高校まで、バラエティに富んだメンバーが集まりました。
その中でも、21世紀枠の出場校たちが気になっている方もいらっしゃると思います。
それ以外の枠で出場している高校はある程度知名度がある高校が多い上に、予選でも大きな活躍をしていました。
対する21世紀枠の出場校はどの高校が選ばれるかわからなかったため、どんな高校なのかもわからない人が多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは21世紀枠に選ばれた出場校を紹介し、各高校の注目選手や特徴をまとめていきたいと思います。
実際に大会が始まった際、より試合を楽しむための参考にしてみてくださいね。
21世紀枠ってなに?
春の高校選抜野球において、通常枠とは別に設けられている枠になります。
通常枠で選ばれる出場校は春季大会で選ばれる高校ですので、大抵の場合は実力の高い高校が出場することになります。
しかし、実力のみを重視してしまうと、例えば恵まれない環境にいたり、他の高校に良い影響を与える高校を取りこぼしてしまうことになるのです。
よって、そういった高校を出場させるために制定された枠が21世紀枠となっています。
選考基準はに関しましては、別の記事で説明しています。
さて、気になる今年の21世紀枠ですが、以下の高校が21世紀枠として出場することになりました。
- 中村高校(高知県、出場は40年ぶり2回目)
- 多治見高校(岐阜県、出場は初)
- 不来方高校(岩手県、出場は初)
初出場の高校が2校、40年ぶりの出場が1校と、21世紀枠は今回も個性的な面子が揃ったようです。
では、以下に21世紀枠で出場した高校の情報を、注目選手や特徴を中心として、それぞれまとめていきたいと思います。
中村高校の注目選手や特徴は?
中村高校は高知の強豪高校で、今回の21世紀枠では唯一の出場経験がある高校です。
元プロ野球選手山沖之彦選手の出身高校でもあります。
また、進学校でもあるため、文人の幸徳秋水を排出していることでも有名です。
グラウンドを他の部活や付属中学校と共有している中、高知県の秋大会では優勝と、輝かしい戦果をあげました。
この際、なんと通常枠で出場する明徳義塾高校を下しています。
選抜高校野球の予選となる四国大会では準々決勝で惜しくも敗北。
敗因も投手の疲労だったので、実力的には申し分ない高校だといえますね。
普通科の進学校であるがゆえに部活に時間を使いすぎることは出来ない中、文武両道を掲げ、工夫を凝らした練習方法をこなしているようです。
注目選手は投手であり4番の「北原 野空」選手でしょう。
強打者でありながら変化に富んだピッチングは見事の一言で、四国の強豪校明徳義塾高校にも一歩も引かない守備力を見せました。
その激しい変化を見せるドロップカーブには注目です。
また、打席4番の実力は確かなもの。
投打両方でチームを支える、まさにチームの大黒柱といったところでしょう。
チーム全体としての特徴はなんといっても全体のまとまりのよさ。
疲労していても、チーム全員で歯を食いしばる、という意識が試合から伝わってきます。
前述の北原選手も、四国大会では準々決勝にて191球を完投。
最終的には敗北してしまいましたが、疲労困憊状態の彼が最後まで投げきることが出来たのは、チーム全体が彼を精神的に支えていたからのように感じました。
本戦でも、そのチームワークが見られることに期待しましょう。
不来方高校の注目選手や特徴は?
不来方高校は、岩手県の進学校です。
創立は1988年、卒業生の野球関係の著名人は現在はいません。
しかし、漫画家の藤枝とおるさん、ハンドボールの佐藤良彦選手など、様々なジャンルの著名人がこの高校を卒業しています。
野球部の部員数はなんとたったの10名で、守備の練習にはとても困っているようですね。
しかし、不来方高校のすごいところは、その守備の練習をする暇がないという弱点をそのまま特徴にまで昇華させている点です。
その特徴こそ、不来方高校が掲げる「打ち勝つ野球」。
打ち勝つ野球とは、ひたすらバッティングによって点を取り、相手に点を取らせないことよりも「相手から点を取ること」を目的とした野球になります。
そのコンセプトの通り、練習時間の8割以上はバッティングに当てているようです。
度重なる練習によって鍛え上げられた攻撃力は高い爆発力を持っています。
本戦でもその打線が爆発することに期待ですね。
勿論、強力なのは打線だけではありません。
部員数がたった10名であるがゆえ、互いが互いを信頼した防御力は目を見張るものがあります。
部員数100名以上、野球エリートも多い青森の八戸学院光星高校に対して、失点を2点に抑えるなど、防御力も侮れません。
21世紀枠への選出は、その少数精鋭ぶりが評価される形となったのでしょう。
注目選手は小比類巻 圭太選手。
鋭く曲がる変化球が持ち味の投手で、バッターでも4番、更に主将でもあります。
全選手の期待を一身に背負う身ながらも弱気な表情を見せることなく、投球を続ける姿は見事です。
チームの大黒柱として、そしてチームを引っ張る要として、縦横無尽の活躍に期待ですね。
多治見高校の注目選手や特徴は?
元々は女子高でしたが、1980年に共学化しました。
進学校としても有名で、その偏差値は59。
卒業生での著名人は元プロ野球選手の「梶本靖朗」などが挙げられます。
他にも多用な著名人が卒業し、各方面で活躍しているようです。
チームの大きな特徴は高い防御力で、投手を中心にした防御力です。
強豪校の至学館相手にも一歩も引かず、そのチームワークと高い投球能力を見せていました。
そんな多治見高校ですが、練習場所に苦心するという意外な一面も。
進学校であるがゆえに18時30分には完全下校を強いられ、更にグラウンドは他の部活と共同と、練習場所に恵まれないチームでもあります。
そんな弱点を朝練と、監督の人脈に起因した強豪校との練習試合で補っているようです。
質の高い練習によって練り上げられた1人1人の選手が持つ力の高さが、何よりの特徴といえるでしょう。
注目選手は投手の河内 京太選手。
横手投げという珍しい投球フォームを武器に、多治見高校の高い防御力の要を務めます。
コントロール力の高さが最大の武器で、どの制球力で次々と打者を討ち取っていく姿は必見ですね。
現在の投げ方に変更してからちょうど一年になる今年の春ですが、より練度の高い投球制度となることは間違いないと思われます。
本戦でも、多治見高校の粘り強い野球が存分に発揮されるのが楽しみですね。
注目選手としてあげた河内選手以外にも、守りを固めるそのほかの選手に目が離せません。
21世紀枠の期待度と春の選抜高校野球の大会日程。
以上、2017年本戦出場高校、21世紀枠の特集でした。
いずれの高校も、通常枠で本戦出場済みの高校と接戦を繰り広げた高校のようですね。
つまり、本戦出場高校と比べても実力的にはそれほど劣っていないということです。
その日のコンディションや、その他様々な要因がかみ合っていれば、通常枠での出場もありえた高校ばかりだといえます。
21世紀枠で出場した高校はこれまでそれほど大きな活躍をしたことはありませんが、今回の面子を見ると、ダークホース的な活躍をするのでは……?
と思ってしまいますね。
出場高校の選手各位には、是非通常枠の出場高校と謙遜のない大健闘を見せて欲しいところです。
3月10日の組み合わせ抽選の後、本大会は3月19日から行われます。
今から選手たちの活躍が楽しみですね。