彼らが本気で編むときは、あらすじ(ネタバレあり)を公開!生田斗真演じるトランスジェンダーとは。

生田斗真さんがトランスジェンダーの役を演じることでも話題沸騰中の「彼らが本気で編むときは」ですが、この映画は最近大きく取りざたされるLGBTなどの問題もはらんでいます。
生田斗真演じる「リンコ」は戸籍上は男性であり、男性の恋人である桐谷健太演じる「マキオ」とくらしています。
物語はマキオの姪っ子である「トモ」が母親に捨てられたところから始まります。
叔父であるマキオがトモを引き取るのですが、マキオは恋人だと紹介したリンコは実際には男性であるという奇妙な関係です。
リンコはトモにたいして一般的な女性のように接してくれます。
トモは多感な時期ですが、初めて出会う「トランスジェンダー」という存在のリンコをゆっくりと受け入れていき、奇妙な家族関係が形成されていきます。
トランスジェンダーとは?
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— 女子会ネタ集め (@emiri_girl) 2017年2月4日
一般的には性転換をしている人をトランスジェンダー。
トランスセクシュアルと表現することが多く海外では一般的な表現になります。
日本では一般的に男性のトランスジェンダーを「オカマ」、女性のトランスジェンダーを「オナベ」などということもありますが、実際には非常に細かな区分になってきます。
体だけ性転換しているトランスジェンダーは戸籍上は元の性のままです。
戸籍を変えるには手続きや医師の診断書などが必要になってきます。
日本では性転換手術は基本的には認められておらず「性同一障害」を持っているとされる人の実数は非常に多いとされています。
タイ王国などでは性別は数十種類に区分されており、日本ように男性、女性ではなくトランスジェンダーを行ったもの、トランスジェンダーを愛せるものなども性別になります。
日本は長らく性転換や性同一性障害などはタブー視されてきた部分があり、他国よりも閉鎖的であるとも考えられます。
彼らが本気で編むときは、から紐解けるもの
「彼らが本気で編むときは、」
絶対見たい〜💭💭💭 pic.twitter.com/oQL5Qxwod4— ♀えムちゃん♀@なつみんズ (@mmm_mchan) 2017年1月26日
編み物は糸を横と縦で組んでいく作業です。
単純ですが一目間違えれば完成度はさがります。
ですが、少し穴の開いた手作りのセーターはそのアミ手の気持ちがとても見えるものであります。
性別も男性、女性の二つを組み合わせていけばどこかに穴が開くかもしれません。
その穴を「味がある」とみるのか「不快だ」とみるのか。
それが表題にも込められていると考えてもいいかもしれません。
生田斗真さんはこの映画に主演するに当たり「とても難しい役だ」とインタビューで答えています。
日本ではまだまだ一般的ではないとされるトランスジェンダーですが、人気タレントである生田斗真さんと人気俳優である桐谷健太さんを主演におくことで、嫌悪感なく性の様々な在り方を受け止めやすくなっているとも考えられます。
日本におけるトランスジェンダー、LGBTとは?
日本におけるトランスジェンダーといえば最初に出てくるのが「カルーセル麻紀」という人も多いかもしれません。
カルーセル麻紀さんは戸籍上も女性になったタレントさんであり、その後に続くいわゆる「オカマタレント」の道を歩きやすくしてくれました。
戸籍を女性に変えたタレントでは最近では「佐藤かよ」「KABAちゃん」などもおり、一見すると日本でもトランスジェンダーが受け入れられてきてるとも考えられます。
ですが前者とは違うポジションで男性であり、同性を愛するということを公言してきたのが「三輪明宏」さんや両性を愛せる「池畑慎之介(ピーター)」さんなどもいます。
近年ではマツコデラックスさん、ミッツマングローブさんのように男性でありながら女装を好む「女装家」なども人気タレントとして活躍しています。
タレントさんたちでも中々、同性愛は告白できないことが多く同性愛であることが発覚して引退したタレントや歌手なども多くいます。
また、実社会でも最近のニュースに多いのはLGBTへの偏見や差別、という見出しです。
彼らは本気で編むときは、のとらえかた
今、実家から通っているので電車時間が長いのでやっと読めました。「彼らが本気で編むときは、」よかった。映画も観にいきたい。 pic.twitter.com/8Xvvn2wbwm
— くげなつみ (@cuge_natsumi) 2017年2月5日
彼らが本気で編むときは、は当然ですが美形の俳優さん、女優さんたちで作られています。
これはエンターテイメントとして当然のことでもあります。
映画の中では切れに見えるトランスジェンダーが実社会で受け入れられないのはなぜなのか?
ですが、これは双方の認識なども大きなものになってきます。
LGBTの人は男性の体に女性の心、女性の体に男性の心を持っています。
当然この場合の恋愛対象は異性です。
職場などでカミングアウトし、失職したなどという話も聞きます。
ですが、その一方でカミングアウト後にも変わらずに付き合いが続くということも多く聞きます。
ここで大事なのは普段の生活などになってきます。
男性、女性、トランスジェンダー、LGBT、全て同じ「人間」です。
みなそれぞれの悩みを持っています。
同じように恋をして同じように失恋して同じように悩みを持っています。
LGBTやトランスジェンダーは特殊ではない、という声もあります。
その反面、比例数が少ないことから見れば特殊である、とも考えられます。
生田斗真さんが演じるリンコも悩み、母親に打ち明けるまでにとても苦しい思いをしてきています。
誰よりも女性でありたいリンコは、母親という絶対的な母性に捨てられたトモに対しての愛情を深く注ぎます。
日本ではまだ同性愛やトランスジェンダーへの偏見は大きなものといえます。
「彼らが本気で編むときは、」はその日本の性差別に対する一石を投じる存在になり得る映画です。
トランスジェンダーという存在がいることを知るだけでも人の意識は大きく変わります。
長いマフラーは、縦糸と横糸を組みながら、時にほどいて編み直し、時に穴を縫い、様々な工程を得て完成します。
不揃いな目でもそのマフラーは誰かを温めてくれるものになります。
そのマフラーに見えるのは「人生」や「生き様」はもちろんですが「葛藤」「苦悩」などもあるでしょう。
編み上がってできたマフラーは暖かなものになります。
「彼らは本気で編むときは、」このタイトルに込められている意味を考えることでこの映画はより深いものになります。
そして、見終わった後に少しだけ優しい気持ちになれるかもしれません。
知らないことを知ることは喜びであり時に恐怖を感じることもあります。
「彼らが本気で編むときは、」は心の縦糸に結ばれる横糸になり得る存在かもしれません。
- 公開日:2017年2月25日
- リンコ役(トランスジェンダーの介護士):生田斗真
- マキオ役(リンコの恋人):桐谷健太
- ナオミ役(カイの母):小池栄子
- 監督・脚本:荻上直子
- イメージソング:ゴスペラーズ「True Colors」